2007年4月11日 (水)

お気楽古文書講座 その1

 最近、「農業往来」ばっかり読んでて若干飽きてきたので、
ちょっと気分転換に古文書の読み方講座でもやってみようかと・・
 初心者が古文書を読めるようになるには、「一紙物」とよく呼ばれる
古文書を読むのが一番です。まあ一枚完結の短い文書をたくさん
読んだらいいよってことです。
 この記事を読んで勉強したら、誰でも古文書を(だいぶ)読める
ようになる!(かな・・・)

 では、今回のテキストはこちら!

Muko2


<判読文>

 相定申聟養子證文事

一、我等世継無御座候付、当村甚四郎殿
  以口入ヲ、貴殿弟菊松殿ヲ聟養子
  相定メ申請候、則我等持高之田畑・山林
  家財不残譲り渡シ申所実正御座候
  然上ハ我等一生可然飼法可請候、自然相
  互気ニ入不申候ハゝ為身代金壱ヶ年
  金壱両弐分づゝ三年之間ハ急度相渡し
  可申候、其後年不和も有之候ハゝ加判人
  立合、急度埒明可申候、為後日連印證文
  仍而如件
            黒阿内村
  嘉永六癸丑年     養父 重右衛門(印)
   十二月        請人親類 忠右衛門(印)
               口入■■ 甚四郎(印)

  小原村 
    五郎右衛門


<読み下し文>

  あい定め申す聟養子證文のこと

一つ、我ら世継ぎござなく候につき、当村甚四郎殿口入をもって、
   貴殿弟菊松殿を聟養子にあい定め申し請け候、
   すなわち我ら持高の田畑・山林・家財残らず、譲り渡し
   申すところ実正ニござ候、しかる上は、我ら一生しかるべき
   飼法請くべく候、自然相互気ニ入申さず候ハゝ、身代金として
   壱ヶ年に金壱両弐分づゝ、三年の間はきっと相渡し申すべく候、
   その後年に不和もこれあり候ハゝ、加判人立合い、きっと埒明き
   申すべく候、後日のため連印證文、よってくだんのごとし


 ご自分では少しでも読めましたか? 
 次の記事では、読み方の解説をしていきたいと思います。
 乞うご期待!

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2006年11月20日 (月)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その8

ようやく単語地獄から抜け出して文章になってきました。

では、よんでいきましょう~♪

Nou101  ←クリックすると大きくなりま~す

~判読文~

もも びハ さくろ ざんせうべきうへものいへとも
桃・枇杷・石榴・山椒・可植物雖
                               
たたありとほゞかきしるしをハんぬミをとるものハ
巨多粗書記畢(*)實取物者
よくじゅくさしめねハおふきなをとりはハいろよく
能熟根者大採葉者色能
すなふなるものすよしとよつてくにところにうんじゅく
直成物為吉依國所于熟
          レ   ニ    一
 ふとうべしあるこれもつハらかんがへしきのしゅん
之不同可有之専改四季順
     レレ       ニ
こうをまきうゆ   よってやうはつに
候可蒔植也春者因陽發
 一二  一
まんしゅおひやすしなつ  しょねつさかんにして

万種生易夏者暑熱隆而
あめしるしこのまかせしゅんすいにさなへそふ
雨滋此任潤水早苗添
     二  一


~読み下し文~ 

桃・枇杷・石榴・山椒・植えるべき物、巨多(たた)ありといえども
粗(ほぼ)書き記しおわんぬ。実を取る物は、
よく熟さしめ、根は大きなを採り、葉は色よく
直(すなお)なる物、吉(よし)となす。国・所により于熟(うんじゅく)
の不同これ有るべし。専(もっぱ)ら四季の順
候を改(かんが)え、蒔き植ゆべきなり。春は因(よろしく)陽發に
万種生(お)い易し。夏は暑熱隆(さかん)にして
雨滋(あめしるし)この潤水にまかせ、早苗添

~解釈~

桃・びわ・ザクロ・さんしょうと植えるべきものはたくさんあるけれども、
ほぼ書き記した。実をとるものはよく熟させて、根は大きなものをとり、
葉は色が良く素直なものを良しとする。地域により成熟具合の違いはある。
もっぱら四季の気候を考え、種をまき苗を植えるべきである。
春は陽気が良くすべての種が生えやすい。夏は暑いので雨の水にまかせ

 今はトラックでの輸送中に完熟にさせたりしますけど、当時は流通範囲がそんなに広かったわけではないので、完熟になってようやく収穫なんですね。
 

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2006年10月25日 (水)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その7

Nou091  ←クリックすると大きくなります

今回、ちょっとよくわからないところが何カ所かあります。

<判読>

とうくハ・すいくわ・まくハ・きふり・なすひ
冬瓜・西瓜・真瓜・胡瓜・茄子
とうからし・ちさ・たで・わさび・ごしん
蕃椒・苣・蓼・山薑、五辛
ハにら・にんにく・らっきゃう・ひともし。くわふぎょ(?)、やくしゆ
者、韮・蒜・薤・葱・薰渠(?)、薬酒
ハ、ちわう・たうき・せんきう・しゃくやく
者、地黄・當皈・川芎・芍薬
ききょう・ゆり・しそ・しゃうきゃう、じつ(?)
桔梗・百合・紫蘇・生薑、揃(?)
もく くり・かき・なし・みかん・きんかん
木者、栗・柿・梨・蜜柑・金柑
ゆ・たちバな・たいゝゝ・くねんぼ・ぎんなん・はしばみ
柚・橘・橙・乳柑子・銀杏・榛
きこく・むめ・もも・すもゝ・からもも・なつめ・やま
枳穀・梅・桃・李・杏・棗・楊


<読み下し文>

冬瓜・西瓜・真瓜・胡瓜・茄子・蕃椒・苣・蓼・山薑
五辛(注1)は、韮・蒜・薤・葱・薰渠(?)、
薬酒は、地黄・當皈・川芎・芍薬・桔梗・百合・紫蘇・生薑
揃木(?)は、栗・柿・梨・蜜柑・金柑・柚・橘・橙・乳柑子・銀杏・榛
・銀杏・榛・枳穀・梅・桃・李・杏・棗


注釈
(1)五辛(ごしん)
   仏語。五種の、辛みや臭みのある野菜。にんにく、ねぎ、にら、あさつき、らっき
   ょうなどの五種をいう。食べることによって興る色欲や怒りの心などを避けるため
   に、これらを禁じた。(『日本国語大辞典』)
   他では、生姜が入ることもある。ここでの「薰渠」は何なのか不明。

 

 はっきりいって、このページは野菜や果物の名前だけしか乗ってません。

 しかし、私にはわからない名前がたくさん出てきました。

 現代社会では、野菜の種類が昔に比べて減ってきていると言われますが、

 それが如実にあらわれていますね。

 はやく調べなくっちゃ。

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2006年10月15日 (日)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その6

Nou081  ←クリックするとおおきくなるよ 

<前回のつづき>

なをありぢよ
猶有除
 
<ここから>

ち  さんさう あさを あい・こう
地者三草之麻苧・藍・紅
 
くわ しほく くハ こうそ・うるし・ちゃ、かつ

花、四木之桑・楮・漆・茶、且
また、はたもの・おゝむぎ・こむき・だいづ
又、畠物者大麥・小麦・大豆
せうづ・さゝげ・えんとう・そバ
小豆・大角豆・豌豆・蕎麦
あハ・きび・ひへ・ごま・えけし
粟・黍・稗・胡麻・荏芥子
なたね・きわた・たばこ・かぶら・だいこん
菜種・木綿・煙草・蕪・大根
ごバう・にんじん・やまのいも・とうの
牛蒡・胡蘿蔔・薯蕷・唐
いも・わいも・くわい・こんにゃく・なんくハ
芋・和芋・烏芋・蒟蒻・南瓜
                    カボチャ


読み下し文

なお、除地(1)ありは、三草(2)の麻苧・藍・紅花、
四木(3)の桑・楮・漆・茶、
 且つまた、畠物は、大麦・小麦・大豆・小豆・
大角豆・豌豆・蕎麦・粟・黍・稗・胡麻・荏芥子・
菜種・木綿・煙草・蕪・大根・牛蒡・胡蘿蔔・薯蕷・唐・
薯蕷・唐芋・和芋・烏芋・蒟蒻・南瓜・


注1、①江戸時代、検地帳などの記載からのぞかれた土地。
    ②江戸時代、領主の証文または由緒により、年貢・諸役を課されない土地。
     無年貢地。(『日本国語大辞典』)。

    ようは、何を作っても年貢のかからない土地のことです。

注2、江戸時代、穀類以外に農家にとって重要な三種の草(『日本国語大辞典』)。
   元禄10年に刊行された『農業全書』(岩波文庫版)の、「三草之類」の項では、
   三草といっても、木綿・麻苧・麻・藍・紅花・茜根・王蒭・烟草・藺・席草・菅と
   11種類も紹介されています。

 

   農業全書

  • 作者: 宮崎 安貞, 貝原 楽軒, 土屋 喬雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988
  • メディア: 大型本
  • 注3、収益性の高い4種の樹木(『日本国語大辞典』)。

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2006年9月19日 (火)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その5

 前回の頁は、農業用水についての内容でした。

 では、次の頁を読んでいきましょうね!

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 判読

<前回の続き>

はたまた、たづねゆうらうにただしじたの
将又、尋邑老糺自他之
        二             一
      ムラノトシヨリ

<ここから>

さかいめ・せんはく・たんほ・あぜうねとうを
境目・阡陌・田反畝・畔畦等
        チマタ                
あるひハ かまゆをかはら・もりはやし・しば
或、可構岡原・森林・柴
      レ    二
たききのまき ばを かハけるいけ
薪野牧之場也、乾池
やせやぶ ねかふしんでんかいはつを
痩藪者可願新田開發
          レニ      一
なをあらハよけい ち さえん
猶、有豫計之地者茶園・
      二              一
やくえんをうへわたしたくち・ぢうきよ

薬苑殖径宅地・住居ハ
こめむぎとう あつかひこなりば
米麦等之扱子成庭之
かつてせんようなり なをありぢよ
勝手専要也、猶有除


読み下し文

はたまた、邑老に尋ね、自他の

境目・阡陌(1)・田反畝・畔畦等を糺し、

あるいは、岡原、森林、柴・薪、野牧の場を構ゆべきなり。

乾ける池・痩せ藪は新田開発を願うべし

なお、余計の地あらば、茶園

薬苑を殖え、径宅地・住居は、

米麦等の扱い、子成場(2)の勝手専用なり。


 本文解釈

 はたまた、村の年寄りに尋ね、自他の(田んぼの)

境目・交わるところ・反数畝数・畦畦などを調べる。

 あるいは、岡原、森林、柴・薪をとる所、野牧の場所を

構えるべきである。

 水のない乾いた池、痩せた藪は新田開発を願うべきである。

 なお、余分の土地があれば、茶園・薬園を植える。

 自分の宅地・住居、米・麦などの扱い、小物成場のありさまは

もっとも大事である。


注1、阡陌(せんぱく)・・①南北の道路と東西の道路
               ②道路が交わるところ、交差点 (『日本国語大辞典』)

注2、子成・・・小物成のことか、

         江戸時代、田畑に対する本年貢を本途物成というものに

         対して、山年貢・野年貢・草年貢などの雑税をいう。小年貢。

                            (『日本国語大辞典』)


  
 今回は、まず所有する田地の境界の確定について。

 そして薪や肥料の確保、新田開発や茶園・薬園の開発など、

 米作以外のことについても大事なことであると述べられます。

 *なお近世の新田開発については、 

  木村 礎『近世の新田村』( 吉川弘文館、1995年11月)が参考になります。

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2006年9月18日 (月)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その4

さて、今回からはようやく農業往来の本文に入ってきますよ。

おまたせしました~♪

Nou051_2 ←ここをクリック!

~本文を読む~

農業往来

そもそも、のうかかうさくのこと、まづ
抑、農家耕作之事、先

とちのかんかへこうていかんしつを
土地之考高低乾湿
     二        一     
         タカ・ヒク・カワク・ウルヲフ

ようすい  てあてをたいが ハもち
用水之手宛大河者勿

Nou061

ろん、たにかわ・やまはしり みかさ はかり
論、谷川・山走之溢を量

あるい つきはと・いしかき・どてをふせ
或者築波當・石壁・土手臥
    二               一  二
     
ナミアテ     

じゃかこをかけ、いしだん・しばハしとうを
蛇籠掛、懸磴・柴橋等
            

あるい ほり・ためいけ・つつミ・ゐみそ・いで
或者堀・溜池・堤・井溝・洫・

ゐせきとうのふしんなくゆたん
井堰等之普請無油断
          二  一 

くわへしゅほをしのくこうすいかんばつ
加修補凌洪水・旱魃・
二   一   二             

ミツ  ヒテリ  かつすい なんをことたい
渇水之難事第一也。
      

はたまたたづねゆうろうにただしじたの
将又尋邑老糺自他之
    ニ       一二    
     ムラノトシヨリ

-----------------------------------------------------------------

~読み下し文~

農業往来

そもそも、農家の耕作のこと、

まず、土地の高低・乾湿を考え、

用水の手宛を大河は勿論、

谷川・山走の溢を量り

或いは波當・石壁・土手を築き、

蛇籠を掛け、懸磴・柴橋等臥せ、

或いは、堀・溜池・堤・井溝・洫・

井堰などの普請油断無く修補を加え、

洪水・旱魃・渇水の難を凌ぐ事第一なり。

(最終1行は次回)

---------------------------------------------------------------

~本文の解釈~

 農業往来

 そもそも、農家の耕作のことは、まず土地の高低や

乾湿を考えて、用水の手当てを、 大河はもちろんのこと、

谷川や山走の水かさを量る。

 あるいは、波止・石壁・土手を築き、蛇籠をかけ、

石段・柴橋などをふせる。

 あるいは、堀・ため池・堤・井溝・井堰などの普請は

油断無く補修を行い、洪水・干ばつ・渇水の難を凌ぐ

ことが第一である。

----------------------------------------------------------------

注釈 (1)山走 辞書に載ってないのですが、山中の清水のことを

      さすのでしょうか?

     (2)溢  水嵩のことでしょう。水の量(『日本国語大辞典』)

     (3)蛇籠 中に栗石、砕石などを詰めた、粗く編んだ円筒形の竹

          あるいは鉄線製の籠。河川の護岸工事で、土砂の防止、

          水流制御などのために用いる。

          その形が、大蛇の伏している姿に似ている所からいう。

          石籠。じゃこ(『日本国語大辞典』)。

     (4)柴橋 柴木を集めてつくった橋(『日本国語大辞典』)。

     (5)井溝 田や畑に水を注いでいる溝(『日本国語大辞典』)。

     (6)洫  井手のことか。田の用水のため、川などの流れをせき止めてあ       

          るところ。井堰。(『日本国語大辞典』)。

-----------------------------------------------------------------

  ○参考までに  近世の河川工事については、

   水元邦彦『草山の語る近世』(山川出版社、2003年、800円)

   が参考になります。

   さらに、河川工事の制度(土砂留め制度といいます)について

   詳しく知るには、

   水元邦彦『近世の村社会と国家』(東京大学出版会、1987年)

      同  『近世の郷村自治と行政』(東京大学出版会、1993年)  

   また、近世の河川をめぐる支配の仕組みについては、

   村田路人『近世広域支配の研究』(大阪大学出版会、1995年)

   が参考になります。

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2006年9月15日 (金)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その3

前回は、農業往来の付録ともいうべき、

「風雨年中耕作吉凶」の部分を読んでいきました。

本文にはいるまで、あともう少しだけ頑張ってくださいね。

では、読んでいきましょう。

Nou041_2  ←画像をクリック!

春、風多く吹ハ夏かならず雨降る

同、南風布けハ雨なり

同、巳の日・卯の日風吹ハ其年大風也

(春に風が多く吹いたら、夏は必ず雨が降る。

 同じく、春に南風がふけば雨である。

 同じく、春の巳の日・卯の日に風が吹けば、その年は大風である。)

夏、北風ふけばかならず雨ふるなり

同、巳の日・卯の日風吹ハ秋稲に中る也

秋、巳の日・卯の日風吹はその年ハ

水すくなし

(夏に、北風がふけば、必ず雨が降る。

同じく、夏の巳の日・卯の日に風が吹けば、秋の稲にあたる(豊作である)。

秋の巳の日・卯の日に風が吹けば、その年は水(雨)が少ない。)

Nou051_1  ←画像をクリック!

冬、南風吹バ三日の間に雪降なり

同、巳の日・卯の日風ふけば寒気

つよし、總て農家は分至とて春

分・夏至と秋分・冬至の気候を

知るべし

(冬に南風が吹けば、3日の間に雪が降る。

 同じく、冬の巳の日・卯の日に風が吹けば、寒気が強い。

 すべて農家は分至として、春分・夏至と秋分・冬至の気候を

 知らなくてはならない。)

     右見タリ干不求全書
      二      一

 右は、「不求全書」に見える文章である。

 ------------------------------

 それにしても、なぜか巳と卯の日ばっかりですよね?

 なにかあるんでしょうね。

 また調べないといけません。

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2006年9月14日 (木)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その2

前回は、農業の単位について勉強しました。

では、今日も読んでいきましょうね。

Nou031_2 

↑ 画像をクリックで大きくしてね

ふううねんちうこうさくよしあし

風雨年中耕作吉凶 暦にて其年正月元日の十干を見て
            年中風雨多少耕の吉凶を占ふ法也

(暦で、その年の正月元日の十干を見て、一年中の風雨の多少、

 耕作の吉凶を占う方法である。)

 *十干・・・甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の総称。(『日本国語大辞典』)

正月元日 甲 三月大雨降、六・七月ひてり又ハ大風吹をも
        乙
            あるべし、又、秋ハ水なし麦作悪し、五穀大概吉

(正月元日が甲乙の年。3月に大雨が降る。6・7月は日照り、または

 大風が吹くこともあるだろう。また、秋は水がなく麦作が悪い。

 五穀はだいたい吉である。) 

正月元日 丙 三・五月雨降る、六・七月時気不順なり上田
        丁
            ハ吉、下田は実入すくなし、糸綿よし

(正月元日が丙丁の年。3・5月に雨が降る。6・7月は気象が不順である。

 上田は吉。下田は実入りが少ない。糸綿はよい。)

 *時気・・・四季の気象。時候。(『日本国語大辞典』)

 *上田・・・地味が肥え、収穫の多い田地。また、検地によってもっとも

        生産力が高いと認定された田。上等の田地

                    (『日本国語大辞典』。)

 *下田・・・地味のやせた下等の田地。痩田。(『日本国語大辞典』)

正月元日 戊 二・三月雨、六・七月ひてり、秋ハ半分雨天半分 
            己
      晴天耕作ハ大概よし、小豆実入よし

 (正月元日が戊己の年。2・3月は雨。6・7月は日照り。秋は半分は

  雨天。半分は晴天。耕作はだいたい良し。小豆は実入りも良し。

 *実入・・①穀物などの実のいりかた。また、実が成熟すること

       ②収入。所得。(『日本国語大辞典』)

Nou041_1

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正月元日 庚 三月雨降、四月ひでり、五・六月~九月大水
       辛
       出る、又、大風吹此年ハ上田悪くふき吉、麦作悪し

(正月元日が庚辛の年。三月は雨が降る。四月は日照り。5・6月~9月には

 大水がでる。また、大風が吹く。この年は上田は悪く。ふきは吉。

 麦作は悪い。)

正月元日 壬 五月雨ふる、七月ひてり作物ハよし、但、下田実 
            癸
            入よし、上田ハ半分なり、秋ハ水すくなし

(正月元日が壬癸の年。五月に雨が降る。7月は日照り。作物は良い。

 ただし、下田の実入りは良い。上田は半分である。秋は水が少ない。)

    右見タリ干土民捷用集

右は、「土民捷用集」に見えた記事である。) 

 この出典である「土民捷用集」をちょっと見てみたいですね。

 誰の著作なのかもまだ調べてませんが、今後、調べていきたいと

 思います。

 農業の単位の次は、暦と天気・収穫量との関係について学んだのですね。

 読んでいただいて有り難うございます。
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2006年6月22日 (木)

古文書を読んでみよう~農業往来を読む~ その1

古文書を読んでみよう!

「農業往来を読む」 

今回はその記念すべき第1回の講義で~す!

では、今回からさっそく中身を読んでいきましょうね。

楽しいものになりますように。 

では、いってみよう!

Nou021  ←クリックすると大きくなります

(中表紙)

「 明治三年庚午四月
  官許 農業往来 全
   東京書賣 青松軒蔵版 」

(明治3(1870)年4月、東京の青松軒の出版)
             
   
  田法之事

 (田の単位のこと)

一、間ハ六尺をいふ、又、六尺三寸或ハ
  六尺五寸にも、まちまちなり

(間(けん)は6尺のことをいう。また6尺3寸、あるいは6尺5寸とも、

 まちまちである。)

 *1尺は約30.3センチメートル。寸は尺の10分の1。 

                       (『日本国語大辞典』より)

一、畝は三十歩を云、歩とハ坪と
  いふも同し、三十坪の事なり

(畝(せ)は30歩のことをいう。歩とは坪というのと同じ。

 30坪のことである。)

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一、反ハむかしハ三百六十歩をいへ共、
  今ハ三百坪を一反といふなり

(反(たん)は、昔は360歩のことをいったが、今は300坪を1反というのである。)

一、町ハ六十間四方を云、今市町の
  壹町も六十間なり

(町は60間四方(平方)をいう。今、市町の1町も60間である。)

  *1間は6尺(約1.82メートル)にあたる。(『日本国語大辞典』)

一、歩は一坪の事也、六尺四方又
  ハ六尺五寸四方をいふなり

(歩は1坪のことである6尺四方または、6尺5寸四方をいうのである。)

   是は童蒙の為にしるす。

(これは、こどものために記す)

 *童蒙・・・まだ、幼くて物の道理に暗い者。子ども。(『日本国語大辞典』)

 ここまでは、まだ農業往来に入っていません。

 まずは、田んぼに関する単位の勉強からスタートしたのですね。

                          つづく

 読んでいただいて有り難うございます。
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2006年6月16日 (金)

古文書を読んでみよう!

 古文書を読んでみよう  「農業往来を読む」

 はじめに

 みなさん。古文書って読んだことありますか?
 古文書(こもんじょ)とは、江戸時代以前の文書(ぶんしょ)のことを言います。
 そう!博物館なんかに展示してあるあのミミズがのたくったような文字で書かれたもののことです。
 まあ普通に生活する分には、読めなくてもなんの問題もありませんが、

 自分のご先祖様のことを知りたい!
 住んでいる地域の歴史をもっと深く知りたい!
 博物館に行ったとき、かっこよく古文書をスラスラ読んでみたい!

 なんて人には是非とも身につけていただきたいスキルなのではないかと思います。
 きっと、今まで知らなかった新しい何かを知ることができますよ。

 さて、では古文書を読んでいきたいとおもいますが、だいたい初心者が古文書判読を習うとき、借金証文とかを使うのが普通です。でも、そんなの読んでも面白くないですよね?
 そこで、ここでは江戸時代の寺子屋に通っていた子供たち同様、往来物と呼ばれる当時の教科書を読んでいきながら、古文書を読む勉強をしていきたいと思います。
 そして、同時に江戸時代の子供たちがどんな勉強をしていたのか学んでいきましょう!

  使うもの

 ①くずし字辞典。まあ何でも良いんですけど、下の物は結構おすすめです。

Book くずし字用例辞典

販売元:東京堂出版
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 ②日本史年表。あるとちょっと便利です。
 

Book 日本史年表・地図

販売元:吉川弘文館
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  ③国語辞典 おすすめは日本国語大辞典かな。

Book 日本国語大辞典 〔精選版〕 1

販売元:小学館
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  ④漢和辞典  まあお好きなのを・・・
  ⑤えんぴつ、けしごむ。
  ⑥原稿用紙

  これくらいあれば、さしあたって勉強するには十分でしょう。 

  では今回のテキストです。

 Nou011

 これは、往来物の中でも「農業往来」というものです。
 農家の子供たちがこれを使って勉強したのでしょう。
 農業に関する言葉がたくさんのっています。

 では、読んでいきましょう!

                     つづく

 読んでいただいて有り難うございます。
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